クレジットカード現金化を行うと自己破産にどのような影響が出る?

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クレジットカード現金化を行った事実は、カード会社に知られずに完済してしまえば後から別の理由で自己破産に至ったとしても何ら影響は出ません。では、クレジットカード現金化を行うと、本当に自己破産が出来なくなってしまうのでしょうか。

クレジットカード現金化は完済しなければ危険

クレジットカード現金化は、ショッピング枠を利用した買い物により商品買取方式・キャッシュバック方式・ギフト券買取の何れかの方法で現金化を行います。現金化業者を使えば巧みに決済会社を利用して現金化しているとバレないように工夫しているので、発覚することは商品買取方式を利用していなければ少ないです。しかし、完済する前にクレジットカードの滞納を行ってしまうと、目視チェックが入りクレジットカード現金化の事実がカード会社にバレてしまう可能性が高くなります。いざ自己破産をしようとした時に、弁護士へ相談するとクレジットカード現金化を行った事実により自己破産が厳しいという現実を突きつけられるわけです。では、なぜクレジットカード現金化は自己破産に影響が出るのでしょうか。

自己破産には免責不許可事由がある

自己破産は破産法に基づき債務額を債権者一覧表に記載された内容を基準として確定させ、20万円を超える財産を公平に債権者へ分配するという法的整理の中でも最も債権者に厳しい債務整理方法です。なぜなら、自己破産と同時に申し立てを行う破産免責申請により、破産免責審尋を行った結果としてやむを得ないと裁判所に認められれば、借金返済義務の免除を破産免責決定により出されてしまうからです。しかし、自己破産で行う破産免責には、免責不許可事由があるので破産法第252条に定められた免責不許可事由に該当する理由での借金については、裁判所は免責不許可決定を出すことになっています。自己破産は本人以外の債権者からも申し立てを行うことは出来ますが、破産免責決定が受けられなければ債務額を確定させるだけであって借金返済義務が残ります。自己破産という名称によるイメージが先行していますが、自己破産は債権者と債務を確定させて広く債務者の債務状況を公告する制度です。自己破産を行っても借金自体が消えるわけではなく、破産免責決定を受けられた場合のみ借金返済義務を免除されるだけにすぎません。このため、債権者一覧表に掲載された債権者との取引は、破産免責決定の有無に関わらず任意返済しなければ再度取引が出来ないことが多いです。

クレジットカード現金化は免責不許可事由に該当する

クレジットカード現金化を行うことは、破産法第252条第1項第2号に定められた不当な破産財団価値減少行為に該当します。クレジットカード現金化を行う時には、必ず決済額よりも手にする金額の方が手数料・カード決済費用・消費税といった金額を控除するために少なくなります。例えばクレジットカードにて30万円の決済をしても、現金化出来た金額が24万円ならば6万円ロスしたことになるわけです。借金総額を自ら増やす行為に該当するだけでなく、ショッピング枠の利用は購入した商品を立て替え払い代金未払いの場合にカード会社が回収する権利を妨害します。カード会社がクレジットカード決済により購入した商品を回収しても価値ある商品が残っていなければ、不当に価値を減少させた行為とみなされるわけです。このため、クレジットカード現金化を行うこと自体が不当な破産財団価値減少行為として免責不許可事由に該当します。

自己破産手続き中にクレジットカード現金化は見つかりやすい

自己破産手続き中にクレジットカード現金化が発見されることは、自己破産申立て手続きを行う流れに破産免責不許可事由に該当するか専門家によるチェックが入ることが原因です。自己破産申し立ては、本人のみで行おうとするとハードルが高い人が多いので、基本的には本人の代理人となれる弁護士へ委任した上で行います。弁護士がカード会社へ受任通知を発送した時点で、カード会社の担当者はカード利用停止措置だけでなく過去の取引履歴を全て洗う作業に入るので、この時点でクレジットカード現金化がベテラン与信担当者により見つかりやすいです。また、弁護士が自己破産申し立て書類作成時に本人へクレジットカード現金化の有無を確認するチェックシートへの記入を求めます。なぜなら、弁護士に対してクレジットカード現金化をしていないという嘘をつくことは、弁護士が手続き途中で辞任することを意味しているからです。弁護士は裁判所に対して騙す行為を職務上行わないことになっているので、破産免責審尋の際にクレジットカード現金化をしていないことを裁判所から問われることを知った上で依頼者本人へヒアリングしています。カード会社によるチェック時と弁護士によるヒアリング時双方でクレジットカード現金化は発見されます。

自己破産をするならクレジットカード現金化は危険

自己破産をするならクレジットカード現金化は危険だと知っておくことが大切です。なぜなら、自己破産申し立て手続きを行う時点で本人が隠しても過去のクレジットカード利用履歴から、クレジットカード現金化を行っていた事実は比較的容易に見つかるからです。

弁護士からの受任通知によりカード会社が過去の取引履歴を目視調査する

クレジットカード現金化業者を利用していると、自己破産申し立て準備に入るために弁護士から受任通知を受け取ったカード会社による詳細な取引履歴確認が入ります。なぜなら、自己破産申し立てを行っただけでは破産免責決定を受けない限り、カード会社は訴訟提起から差押えにより財産の回収を行えるからです。破産免責決定を受けさせないためには、破産免責不許可事由があることを債権者集会で異議申し立てすれば良いので、本人が反省していないという態度を示すだけでなく、最初からクレジットカード現金化目的でショッピング枠を利用していたという主張をカード会社は出来ます。機械的なチェックに引っ掛かった取引のみを普段は確認していますが、カード会社のベテラン審査官による目視調査にかかればクレジットカード現金化業者を使っても現金化を行った事実有りとして調査されてしまいます。

裁判官の裁量免責決定を受けられなければ返済義務が残る危険がある

破産法第252条に定められた免責不許可事由に該当するクレジットカード現金化を行った事実があれば、本来なら破産免責不許可決定を裁判所は出さなければならないことになっています。しかし、最初からクレジットカード現金化を行った事実を認めた上で自己破産申立てを行うと、少額管財事件として破産管財人費用が別途掛かるものの裁判官による裁量免責を受けられる可能性が残されているわけです。弁護士は裁量免責狙いで自己破産申立てをすることにも慣れているので、クレジットカード現金化を行った事実は最初から弁護士へ包み隠さず話すと良いです。

クレジットカード現金化が原因で自己破産を諦めなければならないケースは危険

クレジットカード現金化が原因で自己破産を諦めなければならないケースとして、自己破産を遅らせる目的で意図的に行ったクレジットカード現金化があります。なぜクレジットカード現金化を行ったのかという目的とその後に反省をどれだけしているのかという点を明確にして、自己破産申立て書類を作成すれば裁判官による裁量免責を受けられる可能性が出てくるわけです。しかし、弁護士から見てもクレジットカード現金化を行う目的が悪質極まりない場合など、自己破産そのものを諦めなければならないケースも少なくありません。

自己破産と個人再生手続きの違いを知ろう

自己破産は自己破産そのものよりも破産免責決定を受けられるかどうかが重要であって、クレジットカード現金化が原因で免責不許可事由に該当しているなら、個人再生手続きで済ませることも視野に入れなければなりません。個人再生手続きは、最大1/5まで圧縮した債務を3年間掛けて返済することで残りの債務返済を免除する制度です。自己破産との最大の違いは、免責不許可事由に該当する借金理由であっても申し立てが出来る点にあります。個人再生は過去の借入を圧縮して少しでも債権者に多くの分配金が渡るようにするものであって、やり直しの機会を計画的に確認しながら与える法的整理方法です。自己破産のように生活自体が破綻している場合とは異なり、生活再建を着実に行うための手段となっています。

破産免責決定のチャンスをクレジットカード現金化が無効にする危険

破産免責決定の効力は、自己破産とは別の判断により付与されるものですから、クレジットカード現金化により不当に財産を毀損したとみなされる場合には破産免責決定自体が受けられない可能性があります。クレジットカード現金化は、決済額よりも現金化する額が必ず少なくなるために、不当に財産を減らして返済不能に自ら追い込んだことになります。裁判官による裁量免責にすがる方法は、弁護士によるギリギリの判断に任せるしかありません。

給与所得者等再生手続の適用有無を弁護士から確認される危険

自己破産による裁量免責を受けられる可能性が低いと弁護士から判断された場合には、個人再生手続きによりクレジットカード現金化を行った事実も含めて申し立てをする必要があります。個人再生手続きには、免責不許可事由は無いので小規模個人再生ならば、債権者の過半数から再生計画案に対する消極的賛成を得られれば問題ありません。しかし、クレジットカード現金化を行ったカード会社及びグループからの借入額が、全債務額の過半数となっている場合には、小規模個人再生では再生計画案が否決される可能性があります。そこで、債権者からの消極的賛成すら必要ない給与所得者等再生手続という手段を使っても良いかという打診を弁護士から受けることがあります。可処分所得の2年分という小規模個人再生よりも多額の返済を3年間で行わなければなりませんが、再生計画案が否決されることはなくなるので個人再生手続きがスムーズに進みます。

クレジットカード現金化は債務整理着手前に完済しよう

クレジットカード現金化が問題となるのは、自己破産の破産免責不許可事由に該当してしまうからであって、自己破産の申し立て準備に入る前に、クレジットカード現金化を行ったクレジットカードを解約して完済してしまえば問題ありません。過去のクレジットカード歴は、あくまでも残債が残っている場合であって、クレジットカード現金化を行った事実は完済済みのクレジットカードについては無関係です。

自己破産申し立てのリスクがあるなら現金化したクレジットカードは完済しよう

クレジットカード現金化を行うと、破産法第252条により定められた免責不許可事由に該当して破産免責決定を受けられない可能性があります。裁判官による裁量免責を期待しても、確実に破産免責決定を受けられるとは限りません。そこで、自己破産申し立ての可能性があるならば、クレジットカード現金化を行ったクレジットカードは、危険性回避のために完済させてしまうことが望ましいです。